ローズ
香りの特徴
香りの女王にふさわしい甘美で優雅な香り。
幸福感を与え、ゴージャスな気分に。
心に対する働き
バラのエッセンシャルオイルは情緒にたいして緩和作用を示し、とくに抑うつ、悲嘆、嫉妬、憎みといった感情をほぐすのに効果があります。心を明るく高揚させ、神経の緊張とストレスを和らげます。これがとりわけ女性的な精油であることは確かで、女性に自分自身にたいする肯定的な感情を抱かせます。
からだに対する働き
バラのエッセンシャルオイルは子宮のきわめてよい強壮剤になり、月経前緊張症を鎮め、膣からの分泌を促し、月経周期を正常化きせます。これは、男性側の不妊症にも、精液を増加させる働きを通じて有益な効果をもたらすものと思われます。この精油は性的な障害を、とくに冷感症とインポテンツをそれぞれ好転させます。これは、そうした症状の根底にある緊張とストレスとを、「幸福感をもたらす」ホルモンであるドーパミンを放出させることによつて緩和させるからです。
バラ油は、純化した血液循環を活発にし、心臓の充血を緩和きせ、毛細血管を強化することによって、心臓を強壮にする作用を発揮するように思います。
この精油は、情緒が動揺混乱した際に胃のバランスをとり、それを強化するとともに、その消毒作用と緩下作用とを通じて消化管を浄化するのを助けます。これはまた、吐き気、嘔吐、便秘をある程度まで改善します。
古代ローマ人は、二日酔いにバラの効果を珍重しました。これはたぶん、バラに体内を浄化し毒素(過度のアルコールが肝臓にうっ滞していることはいうまでもないでしょう)を排出する働きがあったためだろうと考えられます。バラ油は黄疸のときにも役に立ちます。
この精油が咽喉痛を和らげ、せきを鎮める作用を示すことは確かです。
肌に対するはたらき
バラのエッセンシャルオイルはすべての肌質タイプに有益ですが、とくに老化肌、乾燥肌、硬化肌、敏感肌に効果があります。この精油には強壮・緩和の両特性がありますので、炎症に有効ですし、また毛細血管を収縮させる作何があることから、毛細血管が破れたときの治療にその価値を発揮します。
注意事項
この精油(エッセンシャルオイル)には通経作用があるので、妊娠中は避けるのがベストです。
★★★ 特集・媚薬と呼ばれたハーブたち ★★★
●エッセンシヤルオイルは定評ある媚薬 バラ(ローズ)
◆人類の歴史とともに始まったローズの歴史
バラは、バラ科の半常緑の低木で、原産地はヨーロッパ、アジアの北半球です。
人類の歴史が始まるころからあったようで、紀元前の世界最古の叙情詩の中に「バラを求めれば永遠の命を得る」と記されています。
バラの原種は何千万年も生き続けて世界各地へ広がっていき、今も観賞用に栽培されるだけでなく、薬用としてもその伝統を保っています。
華やかな媚薬的存在を暗示していたバラは、中世に入ったころ、キリスト教の禁欲的な道徳観の中でその栽培が制限されてしまつたのです。許されたのは神に捧げるバラだけで、それも教会や修道院で栽培されるものだけでした。花の色も白、赤、そして純粋なバラ色の三種に限られ、白は「純潔」、赤は「殉教」バラ色は「聖者への尊敬」という意味をもたされていました。
◆バラに含まれる媚薬の成分
バラには、揮発成分、ビタミンC・B・E・K、タンニン、ローズオイルなどの成分が含まれています。媚薬として効果のある成分はローズオイルです。
フランス産のローズオイルはオウシユウバラから採れ、ブルガリア産のローズオイルはデマスク・ローズから採れます。いずれも効果はありますが、成分に少し違いがあり、フランス産のローズオイルのほうが媚薬としての効果が大きいといわれています。
◆エジプトの女王の媚薬
古代エジプトのプトレマイオス王朝最後の女王クレオパトラは、ギリシア人の血をひいた彫りの深い美しい顔・姿をしていました。
その女王クレオパトラがローマの英雄アントニウスをもてなす宴席にバラのエッセンシヤルオイルをまき、寝室にはバラの花びらを敷き詰め、自身はバラの香水風呂に入り、そのえもいわれぬ香りでアントニウスを酔わせたと伝えられています。アントニウスは、その香りにすべてを忘れクレオパトラに身も心も奪われたのです。
かつてギリシア・ローマの王族・貴族たちは、食卓にバラを飾って、バラでケーキを作り、風呂にはエッセンシヤルオイルを入れ、衣服にバラ香を燻き込めました。寝室はもちろん、邸宅中をバラで飾った生活は、彼ら特権階級の間でも最高レベルの暮らし方でした。
バラは、ぜいたくと繁栄の象徴であり愛のシンボルでもあったのです。
◆体がバラの香りで包まれるローズ酒
バラは薬酒として利用したほうがより効果が上がるものの一つです。
同じバラ科のハマナスがよいのですが、日本では東北地方以北でないと咲かないので、ふつうのバラの花を利用します。園芸用の立派な花の咲くものでなく、香りがよく、小輪の花で、色も派手でないものを選びます。ノバラは下剤になってしまうのでやめたほうがよいでしょう。
中国では、ハマナスの花でフラワー酒を作り、これを飲むとセックスの後、汗をかいた女性の体からバラの香りが発散し、さらに男性を魅惑するといいます。
作り方は、ホワイトリカー1.8リットルにバラの花びら2,3つかみを漬け込みます。砂糖は少なめにし、甘味が足りないときは飲むときに甘味を加えます。約一過間後に花びらを取り出してから熟成させます。一カ月くらいから飲めますが、三カ月くらい熟成させたほうが成分がよく出ます。
赤い花びらを漬け込み、液がほんのりピンク色に仕上がると、幻想的で夜の放み物にぴったりの雰囲気を楽しめます。
◆ローズオイルの使い方
1) そのまま吸う
どこでもできる簡単な方法です。ティッシュペーパーかハンカチにオイルを3〜5滴しみ込ませ、鼻に近づけて大きく深呼吸しながら吸い込みます。脳に刺激が伝わって効果が出ます。
2) 湯気にして吸う
大きめのマグカップなどに熱湯を入れ、オイルを五与六浦そそぎ、口を半開きくらいにして、湯気を口と鼻から吸います。湯気を上手に吸い込むと効果があります。
3) 風呂に入れる
オイルは直接湯に入れると球になって表面に浮いてしまうので、水に溶けるように乳化剤に混ぜて使います。乳化剤にもいろいろありますが、ウォッカを使うとよいでしょう。大さじ二杯のウォッカにオイル二滴をよく混ぜてお湯に入れます。温まると全身興奮してきます。
4) マッサージオイルを作る
キャリアオイル(成分をゆっくり肌にしみ込ませ効果を十分に発揮させるオイル)にローズオイルを2%入れて作ったマッサージオイルを肌に擦り込むと、すべすべと美しい肌になります。
学 名 :Rosa centifolia
生産地 :モロッコ
抽出方法と部位:溶剤抽出法、花弁
主要成分:シトロネロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール
作 用 :緩和、高揚、内分泌系調整
ノート : ミドル〜ベースノート
ローズ 7560円(税込)
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