フランキンセンス(乳香油)
香りの特徴
ウッディでわずかにスパイシーな深みのある香り。
森林浴に似たリラックス感を。
心に対するはたらき
乳香油は平静な感情をおこさせ、呼吸をスローダウンさせます。これによって、心にげんきさを与え、心をなごませる効果をもたらします。人をなぐきめ、ややリフレッシュさせる作用のために、すぎさったことに結びついた不安な心理状態、強迫観念にとりつかれた心理状態を平常にもどすのに有益です。
からだに対するはたらき
この精油は粘膜に著しい効果があり、とくに肺を浄化するのに役立ちます。呼吸にたいしてすばらしい効きめがあって、息切れを改善しますので、喘息患者に有益です。これはカタル症状に有効な薬剤になり、一般に分泌を規則正しくします。乳香油は鼻かぜを緩和きせる効能があり、せき、気管支炎、喉頭炎の緩和剤になってくれます。
この精油には性尿路に有益な働きがあり、膀胱炎、腎炎および性器の感染症全般の苦痛を和らげます。
これは収斂特性がありますので、子宮出血ならぴに大量月経を好転きせます。そして一般に子宮の強壮剤としての作用を示します。この精油の鎮静作用が出産のときに価値を発揮するといいます。また、産後の女性の抑うつ症をなおす力があります。乳房の炎症を治癒させる働きもあります。
さらにまた、胃の苦痛を和らげ、消化を助け、消化不良とげっぶをなおします。
肌に対するはたらき
乳香油は老化した肌に新たな活性を与えます。これは、しわをのばして消してしまうという評判があります。
この精油は皮膚のほんとうの強壮剤といえます。これの収斂作用のために、皮脂の分泌のバランスをよくするのにも役立ちます。また、これは創傷、ただれ、潰瘍、よう(癒)、炎症に効きめがあることがわかりました。
★★★ 特集・媚薬と呼ばれたハーブたち ★★★
●乳香は不安の時代の媚薬 乳香(フランキンセンス)
◆黄金と同じ価値
イエス・キリストの誕生のとき、東方から来た博士たち三人の捧げ物は「乳香、没薬、黄金」と聖書にも書かれているとおり、乳香すなわちフランキンセンスは、当時のエジプトでは、黄金と同じ貴一重品でした。
ニュウコウの木は、中東地方が原産地のカンラン科の高木で、その樹皮から採れる樹脂の固まったものがフランキンセンス(乳香)です。これは何とも言えない甘い香りで、時が経つにつれてますます高く匂うという性質があり、引き付けられて、さらに思わず深く吸い込んでしまうというわけです。
ドイツの科学者が、1980年に「このガム状物質が燃えると、精神が活性化する物質が出てくる」ことを研究結果として発表しています。
◆不安の時代の特効薬
ニュウコウの成分はモノテルペン類、オリバノール、ピネンカンフエン、ペルペノール、リモネンなどです。
心の鏡静、体の細胞の成長促進、殺菌、消毒作用などがあります。インドでは、リウマチの疾患に特効ありともいいます。
日本へは唐の僧鑑真が、754年に伝え、仏教の祭祀用として、現在も薫香や練香として多く使われています。
不安感が強いときや、強迫執念に取りつかれているようなとき、この香りに身を包まれると、深く安らかな気持ちになります。現代のような不安の多い時代には、必要な香り(媚薬)ではないでしょうか。
中東などを旅していると、しばしばニュウコウの木に出会います。木の下に、薄黄色のガムのような物が落ちているのに気がつきます。これがニュウコウの樹脂で、時がたってしっかり固まった樹脂から、初めて精油が抽出されるのです。
◆高貴の女性たちは香りで男性を誘った
エジプトの高貴な女性たちは、皮膚の若々しさを保とうとして、この油でパックしました。
髪にフランキンセンスの香りを焚き込め、全身にこの油を塗って、彼女たちは男を寝所に誘い込みました。男は香りにひかれて、女の意のままになったのでした。
紀元前五世紀ころエジプトの女王が建てた寺院の壁に、ソマリアの沿岸沖のプント島まで乳香を求めて遠征した男たちの雄姿がレリーフにされて残されています。かつては、祭りのときに焚く香料として、大切に扱われていました。
中国の宋の時代には、沈香といっしょに価値ある香料として、南海からの貿易には欠かさず輸入されていました。
学 名 :Boswellia carterii
生産地 :ソマリア
抽出方法と部位:水蒸気蒸留法、樹液
主要成分:リモネン、αーピネン
作 用 :鎮静、呼吸器系機能調整、緩和
ノート : ミドル〜ベースノート
フランキンセンス 3885円(税込)
学術名:Boswellia carterii Birdw
科名:カンラン科
抽出部位:樹脂
抽出方法:水蒸気蒸留法
原産国:ソマリア
ベースノート
フランキンセンス 3675円(税込)
フランキンセンス ミニボトル 630円(税込)
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